はるかなる旅程の記録

妊娠・出産・子育ての記録。切迫早産からの自宅安静を経験。

出産の記録

予定日を2日超えて産まれました。あんなに壮絶な一日だったのに、記憶というものは恐ろしく、どんどん忘れてしまうので、今覚えている限りを書きます。4000字を超えてしまった…。まとまりはないです。

10/6(40週1日)

23時

それまで全く兆候がなかったが、初めて「陣痛」を理解。お腹の張りとともに痛みがあり、痛い間は喋れない。続くので陣痛カウンターをしてみる。痛みは10分間隔を切る。痛みの持続時間も40秒はある。これが続けば陣痛、なくなれば前駆陣痛。前駆陣痛なら寝られると聞いていたので、横になって痛みに耐えてみる。


10/7(40週2日)

2時

間隔が10分を切ったまま2時間以上経ったので、前駆陣痛ではなく本陣痛ではないかと思い、病院に連絡。しかし、間隔と継続時間にバラツキがあるので、もう少し様子を見るよう言われる。

3時

間隔が5分を切るので再度連絡。来ていいよとのこと。入院の準備までして病院へ。しかし、着いた瞬間の内診で子宮口1cmとのことで、即帰宅が決定。「こんなに間隔狭くてもだめ?」と泣きそうになる。助産師さんに「本陣痛はこんなもんじゃないよ〜」と明るく帰される。(今思えばこの時帰って実家で過ごせてよかった。でもその時は絶望。)(なお、休日かつ夜間の10割負担の診察なので、この時の診察代金にのちのち驚くことになる。出産関係は保険外で10割負担というのは、かなり大きい…。でも病院に行かずに耐えられる痛みではなかった。)

4時

帰宅して、「もうカウンターなんか意味ないじゃん!」と拗ねてカウントをやめる。(やめてよかった。じゃなきゃ寝れなかったかも。) 寝ないと持たないと聞いていたし、自分でもそう思ったので、陣痛の合間にうつらうつら寝る。痛くなったら隣にいてくれた母が腰をさすってくれた。


7時

朝になっても陣痛あり。前駆陣痛じゃないと確信。お腹は空いているが、食べると吐きそうになる。なんとかみそ汁を飲んだり、バナナを食べたりする。陣痛のたびに母を呼ぶ。腰をさすってもらわないとやっていけない。

8時

県外にいる夫が向かっているが、三連休で渋滞にはまり、時間が読めない。陣痛のカウントを母がしてくれるようになり、5分間隔をうろうろするが、病院に行くのはせめて夫に会ってからと粘る。しかし到着予定時刻はどんどん延びる。

10時

おしるしが出る。それまでまったくなかったので、やっと子宮口が反応したのだと思うと嬉しいやら悲しいやら。うっすらなので、まだ病院に行く気になれず。夫を待ちつつ陣痛に耐える。

11時

トイレで血の塊が出る。また、ずっと何かが流れている感覚はあるが、おりもののようなものが出るだけ。破水を疑うが、確信持てず。陣痛の合間にトイレを済ますのがきつくなる。四つん這いの姿勢で腰を押してもらうのが楽だった。

12時

お昼にうどんを少し食べる。夫がもう少しで来そう。ひたすら耐える。病院の規定で、陣痛室には付き添い者は入れない。かつ、休日で人が居ないだろうから陣痛を1人で耐える可能性あり。陣痛を1人で耐えられる気がせず、ぎりっぎりまで実家にいようと考え出す。

13時

夫到着。陣痛中、腰を押してもらう。陣痛の合間も腰をさすってもらう。4分間隔くらい。しかし間隔どうこうより、痛みのレベルが夜より確実に上がっている。この時点でも血混じりのおりものが続く。これが破水だった時の感染が怖かったのと、もう電話もやっとの状況だったので、再度病院に連絡。来るように言われる。車に乗るが、もう座れない。夜中に病院に向かう時とは違って、今どこにいるかも分からず、ひたすら痛みに耐える。

14時

内診の結果、子宮口4cmかつ一部分破水とのことで入院決定。陣痛室はやはり1人にされ、NSTもあって四つん這いになれず。横向きで陣痛に耐えていたら、パンっと大量破水。パニックになりナースコール連打。ここから進みが早い。陣痛の間隔が狭まり、痛みも強くなる。


〜ここから時間あやふや〜

とにかくおしりを押さえてもらわないと陣痛に耐えられない。助産師さんにテニスボールで押してもらう。この日はお産が重なっていて、助産師さんがかなり忙しそうだった。助産師さんが席を外してしまうと大パニック。ナースコール連打。「おしり押さえて!!!」と叫ぶ。(なお、それでも来れない時もあり、1人でおしりを押さえて耐える。)


助産師さんに「とにかく息を吐いて!」と言われるが、声付きでないと吐けない。静かなお産は幻想。痛みが弱まった時も全力で声を出してしまうので、「疲れちゃうよ、そんなに声出さなくていいよ、落ち着いて」と諭される。毎回、諭されてやっと、声のボリュームを下げることができる。


17時ごろに子宮口8cmと言われる。この時間が体感1番長かった。陣痛の合間に意識を失うような感じで寝ていた気がする。ひとたび痛みの波が来ると、全部出る感覚。出したすぎて身体に力が入る。助産師さんに「おしり押して!!!!」と叫び倒す。甘いもの食べてと言われてチョコを口に入れるが、飲み込むまでに次の陣痛がきて、口の中がチョコまみれのまま叫び倒す。


トイレに行こうとするが道中で陣痛。内診で仰向けになってる時に陣痛。分娩室へ移動中に陣痛。これらは助産師さんがテニスボール当ててくれなくて、パニックになる。「息吐いて!大丈夫だから!」と言われる。「無理無理無理!」と思いつつ、それを言葉にする余裕もない。叫びながら息を吐く。

 


18時ごろ

分娩室に移動。夫を呼ぶよう言われ、電話する。(なお、後から夫に聞くと、もう言葉になっておらず、とにかく病院に来てくれということしか分からなかったらしい。)

夫が来る。助産師さんが点滴の準備をしている間、夫がテニスボール係となるが、全然弱くて叫びながら指導。「押して!」と叫ぶ。もう本当に耐えれない!!!となる。

あるタイミングで、いきんでいいと言われる。突然今までの数時間と真逆の指示でパニック。感覚が掴めない。仰向け、四つん這い、横向きを経て、1時間経つ。いきむ時に声を出すなと言われる。進み具合を逐一聞くが、思ったより進んでなくて毎回絶望する。でも助産師さんは順調だと言う。


19時ごろ?

再度仰向けに変更。サンシャイン池崎を思い出して、のけぞりたくなる衝動を押さえてお腹を見る。ベッドの柵を壊しそうな力で握る。仰向けになってから、赤ちゃんが骨盤にはまるのが分かるようになる。息が続かず、少し出して引っ込めてたくさん休憩、を繰り返す。助産師さんに言われたことをするので精一杯。(なお、助産師さんや夫には、この時冷静だったと言われる。自分としては、指示以外のことをする余裕がなかっただけ。)


20時近く

最後だけ、「休憩なしでいけそう!」と思って、赤ちゃんが戻る前にまたいきむ。(助産師さんは「休憩していいよ!」と言っていたらしい。が、その言葉を聞いた記憶がない…。)お股めちゃくちゃ痛い、裂ける感覚あり。でも「もう出そう!」と思ってなりふりかまわずいきむ。助産師さんに「もういきまないで!力抜いて!」と言われて、またパニック。ずるんという感覚があって、誕生!

姿を見て、産声を聞いて、安心する。胎動の感じと同じく、手足バタバタしていてかわいい。赤ちゃんの姿を見ても、どうやって私の身体から出てきたのか分からない。「本当に私が産んだのか?」という不思議な感覚。分娩台の上でふわふわしていた。泣くのかなと思っていたけれど、そんな感じだったので泣かず。生まれたんだ…とひたすら信じられない気持ちだった。

その後、けっこう縫われる。痛くて何度も麻酔を足してもらう。

 

検査や写真撮影や休憩含めて、23時ごろまで分娩室にいる。起き上がると思ったよりふらふら。

 

出産を終えて思ったこと

・陣痛に耐える時間は、家での十何時間より、病院の数時間の方が長く感じた。本陣痛に比べれば初期の陣痛なんて…というのは、経験したから思えたことであって、どの時間も「今まででいちばん痛い!これ以上があるの!?」と思っていた。実家にぎりぎりまでいれたのはよかった。1人で耐えるのは想像できない。

・予定日の1週間前からやっと出産関連の動画を見る気になる。それまで怖くて見る気になれなかった。結果、見ておいてよかった。痛い中でも、頭のどこかで冷静になれた。それでも叫んでしまったけれど、「赤ちゃんに酸素を送らねば!」ということだけは考えられた。

・初産婦は子宮口が1時間に1cm、全開から1-2時間で出産が平均だと聞いていたので、14時に子宮口4cmと知り、「20時に全開で22時には出産だ!」と勝手にスケジュールを立てた。絶対に今日中に産むという気持ち。結果的に破水もあって18時には全開。でも体力はギリギリ。

・いきむのが難しかった。陣痛に耐えるよりいきむほうがしんどかった。筋肉不足か体力不足か。予想よりも子宮口全開までかなり順調だった分、そこから出産までは長くて、焦りもあった。助産師さんに褒められても半信半疑。

・とはいえ、助産師さんにたくさん励ましてもらえて頑張れた。助産師さんなしで出産は無理。妊婦1人につき1人、ずーっと付いていてほしい。平日だったらまた違ったのかな。

・夫がいてくれて安心した。記憶はあやふやだけど、ずっと励ましてくれていたと思う。産前産後の恨みは一生とよく聞くが、同じくらい産前産後の感謝も一生だと思う。1人じゃないから、頑張れた。

・無痛分娩ができない病院だったこともあり、経験しておこうという気持ちで自然分娩に望んだが、次があるなら絶対に無痛がいい。と出産後に強く思ったにもかかわらず、産後二週間の時点で陣痛の痛みがだんだん分からなくなって困惑している。とにかく痛かった、おしり押さえてと叫びまくった、それは覚えているが…。痛みを忘れるようにできているとは聞いていたが、本当に分からなくなってしまった。

・全お母さんを尊敬する。帝王切開だって無痛だってどんな形であれ出産は身体にめちゃくちゃ負担がかかるし、それまでの妊娠期間もいろんな不安がある。出産について知るほどに、母子ともに健康で出産できることがどれだけすごいか、痛感した。